アレルギー緩和米




農林水産省所管の研究機関である農業食品産業技術総合研究機構が開発中。


■(著者が勝手に推測した)基本コンセプト
・基本的に、皮膚や粘膜から入ったタンパク質は有害な異物として認識される。
 花粉症も、経粘膜的に少量の花粉が侵入し、それによってアレルギー反応が惹起される。
・一方、口から入ったタンパク質は有益な食糧と認識される。
 同じ粘膜でも、経腸管的に吸収されたタンパク質は、免疫寛容によってアレルギーから逃れる。
・おそらく、「だったらスギ花粉を経腸的に摂取すれば減感作ができるのでは?」という発想で開発され始めたのではないかと推測する。


■スギ花粉抗原
・スギ花粉の抗原は、
 ①花粉の表面に存在するCry j 1
 ②花粉の細胞質に存在するCry j 2
 に分かれる。


■方法
コシヒカリを遺伝子組換したa123・T5・T6・T7を使用し、このコメ遺伝子の中に、さらにCry j 2を導入した。
(英語力の問題で、この全部の品種を使用したのか、不明)

こうして得られた遺伝子組換米の玄米を精米し、さらに精粉し、さらにPB concentrationという処理を行っている。

①75gの精米、90℃の湯150ml、熱耐性のαアミラーゼを混合し、
 デンプンを異化させるために90℃・1時間
②常温で5000rpm・10分遠心し、上清を捨てる
③湯で洗う
④この遠心・洗浄をさらに2回繰り返す
⑤残ったpelletを皿の上に乗せ、60℃で1日経過させる。

これも推測になるが、このような処理を行ったのは、通常通りお米を炊いて、それを食べた時に、本当にCry j 2を導入した組換遺伝子が壊れずに届くのか、それを証明するためだと推測する。


■結果
・室温で10か月経過させても組換遺伝子は失われなかった。
 (つまり、米として収穫してから常温で保存が可能)
・Protein Body-1(唐突に本文中に出現し、定義が書かれていないが、おそらくここがCry j 2が導入されたタンパクのこと?)も変化しなかった。
・精粉よりも、PB productの方が、ペプシンに対する耐性を持っていた。
・組換遺伝子だけを抽出してペプシンを作用させると消化されてしまう。
 (サプリメントにはできない?米の形で食べる方がよい?)
・精粉からPB productまで、全ての段階で組換遺伝子は残っていた。
・Cry j 2をGFPでラベルし、経口負荷後、約12時間後に回腸・空腸に達した。
 (生体内で安定性がある)
・念のため、通常米と遺伝子組換米で、GFP陽性細胞を比較したが、きちんと有意差あり。
・遺伝子組換米中のCry j 2が、本当に花粉抗原としての抗原性を持っているかを、特異的IgEの上昇や花粉抗原特異的T細胞の反応を確認している。
 (ただ、表が載っているだけで、若干駆け足で説明しており、説明不足感あり。
  一番大事なところなのにいまいちピンとこない)



■疑問
・なぜ、Cry j 2なのか?
 そもそも、スギ花粉症において、症状を惹起する抗原としてより働いているのは、Cry j 1とCry j 2のどちらなのか?

  • 最終更新:2017-12-24 19:21:56

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