乳酸菌がピーナッツ長期耐性化を誘導する?

■出典
Kuang-Chih Hsiao et al.
[[Long-term clinical and immunological effects of probiotic and peanut oral immunotherapy after treatment cessation: 4-year follow-up of a randomised, double-blind, placebo-controlled trial.:http://www.thelancet.com/journals/lanchi/article/PIIS2352-4642(17)30041-X/fulltext]]


■研究の背景
・PPOIT(Probiotic and Peanut Oral Immunotherapy:プロバイオティクスとピーナッツの同時摂取による経口免疫療法)の、長期に渡るピーナッツ耐性誘導効果は不明である。



■同グループの先行研究

[[Administration of a probiotic with peanut oral immunotherapy: A randomized trial::http://www.jacionline.org/article/S0091-6749(14)01737-0/abstract]]


・62人のピーナッツアレルギー児を
 ①PPOIT群 (2×10^10コロニーのLactobacillus rhamnosus CGMCC 1.3724+ピーナッツタンパク2g)
 ②プラセボ群 (マルトデキストリン群)
の2群にランダム割り付けし、18か月間毎日摂取させた。

・56人が最終的に研究に残った。

・PPOIT群では82.1%、プラセボ群では3.6%が、「持続的耐性」を得た。

・PPOIT群では89.7%が脱感作され、プラセボ群では7.1%が脱感作された。

・ PPOIT群では、スキンプリックテストの反応の軽減、ピーナッツ特異的IgEの低下、ピーナッツ特異的IgG4の上昇が優位に確認された。



■手法

・先行研究を、さらに平均4.2年間追跡した。

・「持続的耐性」試験(?)で異常がなかった人達には、特に量や形態は指定せず、ピーナッツを食べ続けてもらうように指導した。

・「持続的耐性」試験(?)で異常が出た人達には、ピーナッツの完全除去を指示した。

・(PPOIT群のみに?)毎日スプーン20杯相当のヨーグルトを食べるように指導した。



■結果

・56人中、48人(86%)が研究に残った。
 PPOIT群が24人、プラセボ群が24人だった。
 平均追跡期間は、両群ともに4.2年だった。

・PPOIT群は、24人中16人(67%)がピーナッツを食べ続けていた。
 一方、プラセボ群は、24人中1人(4%)だけがピーナッツを食べ続けていた。
 absolute difference 63%, p=0·001, NNT=1.6, unadjusted RR=16.0

・PPOIT群で、23人中12人(52%)が中等量以上のピーナッツ(2g以上)を食べていた。
 また、23人中11人(46%)が、週1回はピーナッツを食べていた。

・PPOIT群の方が、プラセボ群に比べて、より多くの患者が2g以上のピーナッツを食べていた。
 absolute difference 48%, p=0·001, unadjusted RR=12.5

・2週間の持続的耐性を獲得していたPPOIT群の20人のうち、16人(80%)が定期的なピーナッツ摂取ができていた。

・介入前は、PPOIT群とプラセボ群の、スキンプリックテストの平均膨疹径は差がなかった。
 16.9mm(SD6.7) vs 16.9mm(SD6.9)
 しかし、4年後は、PPOIT群の平均膨疹径が小さくなった。


・PPOIT群24人のうち、20人(83%)が治療中止後もアレルギー症状を起こさなかった。
 2週間の持続的耐性試験で無症状だった4人の患者が、合計11回のアレルギー症状を起こした。
 一方、プラセボ群6人が、合計9回のアレルギー症状を起こした。
 両群のアレルギー症状は全て軽度で、アナフィラキシーはなかった。
 アレルギーの発生率は、PPOIT群で1.1回/10人年、プラセボ群で0.9回/10人年だった。


・治療中止4年後、PPOIT群の方が、特異的IgEが低下した。
 mean 2.8kU/L vs 10.7 kU/L


・PPOIT群の方が、ピーナッツ特異的IgG4が上昇した。
 mean 0.4mgA/L vs 0.2mgA/L
 しかし有意差はなかった。


・IgG4/IgE比は、PPOIT群の方が遥かに上昇していた。


・PPOIT群12人とプラセボ群15人が、8週間の持続的耐性を評価する二重盲検プラセボ比較経口負荷試験を行った。
 PPOIT群は12人中7人(58%)が耐性化、プラセボ群は15人中1人(7%)が耐性化していた。

・ピーナッツの累積中央値は、PPOIT群4000mg vs プラセボ群938mgだった。




■結論
・PPOITは、プラセボ群に比較して、有意にピーナッツの長期耐性を誘導する。




■高田の非医学的感想

・PPOIT群は、追加の4年間では、乳酸菌ではなくヨーグルトを食べるように指導したって、それは乳酸菌の耐性化誘導の有無を判定する研究としては、ちょっと雑過ぎませんか?
 (本文中にはexcuseとして、Lactobacillus rhamnosusは一般市民には馴染みがなく、内服の継続ができなかったと書いてある)

・この研究は
 ピーナッツ+乳酸菌 vs プラセボ群であって、
 ピーナッツ+乳酸菌 vs ピーナッツ群 ではないので、
 乳酸菌の有用性を示したことにはならないのでは?

  • 最終更新:2018-01-25 09:43:46

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