M細胞

■出典
アレルギー 第67巻 第3号 171-178


■M細胞とは

・粘膜は、体の内と外の境界を形成する。

・特に消化管粘膜では、異物を排除する一方、適切な免疫応答を誘導するために抗原を取り込む必要がある。
 (抗原サンプリング)

M細胞(Microfold細胞)は、パイエル板等のリンパ濾胞を覆う濾胞関連上皮(FAE)に存在する。
 
・粘膜面から基底膜面に向かって抗原を排出するトランスサイトーシスを行っている。

・細菌抗原以外に、食物由来抗原も取り込んでいると考えられている。
 しかし、現時点でアレルギー疾患との関連は不明。

・薬剤輸送の標的とする研究もある。



■その他の腸管細胞

・パネート細胞: 抗菌ペプチド産生。粘膜の化学的バリアの主体。

・杯細胞: ムチン(糖タンパク)産生。



■M細胞による抗原提示

・M細胞が抗原を受け取る。

・基底膜側に抗原を送り、直下に待ち構えている樹状細胞(DC)に抗原を渡す。

・樹状細胞が、naive T cellに抗原提示する。

・naive T cellが分化・遊走して、胚中心(germinal center)で、Tfh細胞(濾胞性ヘルパーT細胞:follicular helper T cell)となる。
 そこでB cellのクラススイッチ等を起こす。

・このB細胞が、輸出リンパ管から腸間膜リンパ節に移動し、形質細胞に変化し、IgA産生を起こす。

・IgAは、基底膜側に発現しているpIgR(ポリIg受容体)に結合し、トランスサイトーシスにより粘膜側に輸送され、分泌型IgA(s-IgA)として二量体で分泌される。

・s-IgAは、抗原を補足すると同時に、腸内細菌のバランスにも関与している。



■M細胞の構造的特徴

・FAE(濾胞関連上皮)には、パネート細胞や杯細胞が存在しない。
 そのため、他の粘膜に比べて、細菌が粘膜上皮に達しやすくなっている。

・M細胞は、他の粘膜細胞に比べて、絨毛が発達していない。
 そのため、抗原がM細胞に到達しやすい。

・構造的にもM型の構造をしていて、粘膜面と基底膜面の距離を近付け、抗原の取り込みをしやすくしている。

  • 最終更新:2018-06-21 14:38:39

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