dysbiosisが食物アレルギーを誘導する?

■出典
Andrew T. Stefka et al.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2014 Sep 9; 111(36): 13145–13150.
PMCID: PMC4246970



■概要
・常在菌叢の変化が、食物アレルギーの発症を惹起する。
・抗生剤によって常在菌叢を変化させることで、食物アレルゲンに対する感作が惹起されることを証明する。



■結果
Methodが細かく記載されていないが


◎Fig1
・6週間の抗生剤投与を行った結果、ほとんどがラクトバチルス属に置換された。
・コントロールに比べて、抗生剤群では、IgE・IgG1いずれも上昇した。
 →抗生剤投与が、感作を惹起した


◎Fig2
・5種類のマウスを用意する

①SPF(Specific pathogen free)
 できるだけ無菌環境に近付けた環境で飼育したマウス。
 (無菌的に帝王切開で出生したのかどうかは不明)

②GF(germ free)
 抗生剤を使用し、常在菌を虐殺したマウス。

③Conv. (Conventionalaized)
 GFマウスに、SPFの細菌叢を移植したマウス。
 後天的にSPFの腸内細菌叢に近付けたことになる。

④B.uniforms群

⑤Clostridium属


この5群を比べると
・圧倒的に、GF群が、IgEが高値になった
・SPF群とConv.群は、IgEが抑制される
 →先天的、あるいは後天的に細菌叢を整えてやると、IgE感作が抑制される
・食物アレルギーあるいはアナフィラキシーの指標とされる直腸温度は、GF群で低くなり、Clostridium属で高くなる。
 (Clostridium属がピーナッツアレルギーに対して抑制的に働いている?)


◎Fig3
・粘膜固有層においては、
 5群のうち、SPF群・Conv.群・Clostridium群の3群では、
 Foxp3(マスター転写因子)陽性のCD4+細胞、即ちTreg(抑制性T細胞)が増えている。
・5群のうち、GM群・B.uniforms群の2群では、IgAが低下している。


◎Fig4
・GM群では
 IL-22が低下している。
  (※IL-22は腸管粘膜での抗菌ペプチド産生を上昇させる)
 実際、Reg3b・Reg3gのいずれも低下している。



■結論

・マウスにおいて、抗生剤によるdysbiosisが、IgE感作を惹起し、Tregを抑制し、IgA産生を低下させ、抗菌ペプチドの産生を低下させることを証明した。



■髙田の医学的感想

・適切な腸内細菌菌叢がILC-3を刺激し、IL-22を介して抗菌ペプチドやIgAの分泌を刺激し、Tregを活性化している。

・しかし、抗生剤がそのバランスを破壊する。

・そのことをin vivoで示した研究だと思います。



■髙田の非医学的感想

・なぜ、コントロールとして、クロレラ毒素が使用されているのか、よく分かりません。
 原文には「mucosal adjuvants cholera toxin」として書かれていますが。
 ピーナッツだけではIgEおよびIgG1にうまく刺激が入らないんでしょうか?

・Fig2で、なぜ④・⑤が選ばれたのか分かりません。
 先行研究があるんでしょうか?

  • 最終更新:2018-02-14 16:08:50

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